VIA Eden
VIA Eden(ヴィア エデン) とは台湾VIA Technologiesが推進するEdenPlatFormの中核に位置するx86CPUである。ほとんどの製品は取り外しのできない形で基板上に実装されている。パソコン用のみならず組み込み用途を強く意識した製品である。セットトップボックス、モバイル用、POS用など低消費電力を期待される分野で多く採用が進んでいる。名称でEdenという場合VIAのEdenシリーズすべてを指すので、以下の解説はそれぞれのシリーズに分けて解説する。
Eden
[編集]Estherコアを採用しIBMの90nmSOIプロセスで製造されている。近年のCPUから比べるとやや非力ではあるが、オフィス用としては十分な性能をもつ。特にその消費電力対性能比は特筆すべきところがある。現在日本のコンピューターメーカが採用している事例は少ないが、個人向けのマザーボードは多数出回っている。
- FSB 400MHz
- 動作周波数 400MHz - 1.2GHz
- 消費電力
- 400MHz 2.5W
- 500MHz 3.5W
- 600MHz, 800MHz, 1GHz 5W
- 1.2GHz 7W
- 対応チップセット VIA CN700
- パッケージ nanoBGA2 21mmx21mm
- 対応拡張命令 MMX、SSE、SSE2、SSE3、NXビット
- ハードウエア処理命令 AES暗号処理, SHA-1, SHA-256
- デュアルCPU対応
Eden ULV
[編集]上記の無印Edenと同様にEstherコアを採用し、IBMの90nmSOIプロセスで製造されている。このシリーズの特徴としては、同クロックの無印Edenと比べて消費電力が低く抑えられている。特にEden ULV 500MHzのTDPは他のx86CPUの中でも極めて低い1Wである。
- FSB 400MHz
- 動作周波数 500MHz - 1.5GHz
- 消費電力
- 500MHz 1W
- 1GHz 3.5W
- 1.5GHz 7.5W
- 対応チップセット VIA CN700, VIA CX700, VIA CX700M
- パッケージ nanoBGA2 21mmx21mm
- 対応拡張命令 MMX, SSE, SSE2, SSE3, NX Bit
- ハードウエア処理命令 AES暗号処理, SHA-1, SHA-256
- デュアルCPU対応
Eden-N
[編集]2007年3月現在、世界最小のx86互換CPUである。上記のに製品よりもさらに消費電力を落とす必要のある製品向けに作られている。C5P Nehemiahを採用している。FSBには旧世代の133MHzを使用しさらに消費電力を下げている。
- FSB 133MHz
- 動作周波数 533MHz - 1.0GHz
- 消費電力
- 533MHz 2.5W
- 800MHz 5W
- 1GHz 7W
- 対応チップセット VIA CN400
- パッケージ nanoBGA 15mmx15mm
- 対応拡張命令 MMX, SSE
- ハードウエア処理命令 AES暗号処理
- デュアルCPU対応
Eden ESP
[編集]Samuel2を採用した150nm版とC5LXもしくはC5P Nehemiahを採用した130nmとがある。Edenシリーズで唯一66MHzFSBという低速なバスでも動作する。それぞれのコアによってサポートされる拡張命令が異なるが、各CPUのCPUIDがSamuel2:670,C5XL Nehemiah:690,C5P Nehemiah:698であるため、区別することができる。仕様は、現在のパソコン性能から比べると満足というのからは程遠く、完全に組み込み向け用途として市場からは扱われている。
Eden ESP 150nm
[編集]- FSB 66MHz - 133MHz
- 動作周波数 300MHz - 600MHz
- 消費電力
- 300MHz 2.5W
- 400MHz 3W
- 533MHz 5W
- 600MHz 6W
- 対応チップセット VIA CN400, VIA CLE266
- パッケージ EBGA 35mmx35mm
- 対応拡張命令 MMX, 3DNow!
Eden ESP 130nm
[編集]- FSB 133MHz - 200MHz
- 動作周波数 733MHz - 1.0GHz
- 消費電力
- 733MHz, 800MHz 6W
- 1GHz 7W
- 対応チップセット VIA CN400
- パッケージ EBGA 35mmx35mm
- 対応拡張命令 MMX SSE
- ハードウエア処理命令 AES暗号処理(C5P Nehemiahのみ)
- デュアルCPU対応(C5P Nehemiahのみ)